以前親しくしてたペルー人の友達が、旅のお守りにと細い麻紐だかで編んだオニキスのネックレスを手作りしてくれたことがあった。南米出身者ってスピリチュアルな人が多いなあとは漠然と思ってきたけど、アメジストだオニキスだって、そこらじゅうに埋まってたら、あのラピュタのなんとか爺さんみたく何か感じる人が多いのもうなづける。
旅の準備に中南米のことをあれこれ調べたり、ガブリエルガルシアマルケスの物語なんか読んだりしてると、その自然や文化や食べ物はもちろん、感性と感情の鋭さだったりドライなユーモアだったり死生観だったりにどんどん虜になっていく自分に気づく。
スピリチュアルっぽく言えば前世はイノシシかと言うほどに猪突猛進的な私の友達は、昨夜勢いよくうちに飛び込んでき、皆が持ち寄ったごはんとうちの冷蔵庫の中のものをを食いちらかして、がっちがちのでかいアメジストをもちろん床に落とし、パソコンの充電器を置き去りにして帰っていった。図々しくて騒々しくて、やたらドラマチックなその女に振り回されることも多いけど、その率直さと信じがたい懐の深さにわたしら周りは気づけばもうずっと虜なのだ。国籍でもちろん人は判断できないけど、その土地の自然や文化が育む人柄みたいなものはやっぱりあるわけで、また少し、ラテンアメリカへのときめきが増した夜なのだった。