クカバラベーカリー
雑記帳

Kookaburra

bakery

ウミタスの秘密。

Dec 16, 2019 | アルゼンチン, 旅の便り

ボリビアの南からアルゼンチンの北へ跨ぐ地域はもともとケチュアやその他小民族の住んできた地域で、虹色に筋の入る山々もそれをそのまましたためたような織物ももう何百年もその大きさで立っているようないかついサボテンたちも、国境を越えたからと言ってそう突然には姿を消さない。この雰囲気がとても好きで、パラグアイからペルーへ移動する前に戻ってこようと決めていた。

 

ウマウアカという集落は乾いた大地だが木が多く、ここに来るまでの道沿いに小さな畑が長く続いていた。サルタという大きな街からもそう遠くないので、休日には国内からの旅行者で少し賑やかになる。停電の昼下がりは静かな村がさらに静かで、山から吹く風に笛の音がのって届いた。土産物屋の前でポンチョを着た如何にも旅行者な男性が、笛を片手に主人の奏でる音色に喜んでいたのを思い出す。いろいろと買って帰るのだろう。この雰囲気にのまれるのは君だけじゃないぜ。

 

二進も三進も行かなくなったブログを引っ越すべくパソコンと悪戦苦闘しているこの数週間。カフェの席に居座って、お腹が空いたのでウミタ(Humita)を注文する。ウミタというのはとうもろこしをクリームやバターと攪拌して、これにチーズを混ぜとうもろこしの皮で包んで長時間茹でたもの。ケチュアに伝わる伝統料理で、トウモロコシの甘みにチーズの塩気が加わってとってもおいしい。思い出すより更にうまいのでお店の人に聞くと、ヤギのチーズを使って乾燥バジルを少し足しているのだって。ボリビアでもハマったヤギのチーズ。私の知ってたそれは後ろにヤギがいるかと思うほど香りも酸味の強いものだけど、この地域で食べるものはもっとまろやかでほかの味をやっつけない。

パソコンと奮闘しているうちに電気がついて町にほんの少しだけ音が戻った。帰りに玉ねぎをたくさん買って久しぶりのカレーを作る。早い夕方でキッチンにはまだ誰もいなくて、硬直した脳みそもいっしょに溶かすように長いこと玉ねぎを炒めた。