クカバラベーカリー
雑記帳

Kookaburra

bakery

不思議の街のキムチ。

Mar 29, 2019 | 旅の便り, 韓国, 食べ物

ソウルの街は歩くに楽しい。

無数の小道がもつれあい、街全体が巨大な迷路のよう。新しいビルの立ち並ぶ大通りから一歩入ると、取り残されたような下町がひろがる。鋲が打たれた重そうな木戸に、いろんなにおいを放つ排水溝、凝ったストリートアートと古い家屋の角に忙しく並ぶ壺。
飛行機でほんの2時間のところだけど、使う言葉も住む鳥もちがって、キムチの味もやっぱり違う。ちゃんと辛くて酸っぱいんだけど、圧倒的なうまみと全部を包むよな甘みがあって、ごはんも納豆もなしで箸が止まらない。こうゆうのってもちろんテクニックとか材料が大事なんだろうけど、その場所のお天気とそこに暮らす微生物とのやりとりがうまくできてるのだろうと、キムチの不思議な甘みを確かめながらしみじみと思う。
メルボルンで天然酵母のパンを焼いていた時、温度や湿度の変化にさんざん泣かされた。外国のパン職人からもちろんパン作りは学べるけれど、メルボルンでおいしいパンを作るにはやっぱりそこの気候とうまく付き合っていかなきゃいけない。相手のことがだいぶわかってきたと高をくくっていると、翌日裏切られる。キムチだって、同じ人が同じ技と秘密と使い込んだ壺を以てして例えば沖縄とかで仕込んでも、きっと同じ味にはならないはずだ。
旅をしていて恋しくなるのは、あれやこれや使ってする料理や時間をかけて完成を待つような作業。発酵だったり陶芸だったり野菜作りだったり。つぎの街角で、今度は何が完成を待っているかしら。

ークカバラベーカリーの中南米旅行記???韓国編