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Travel note 

個人で旅するサオパウローSão Paulo

1200万人以上が暮らす大都市サオパウロ。道をふさぐような巨大な街路樹が乱立する景色はとてもユニークで、2007年以降街頭広告が規制されているため、どこか落ち着いた表情をしている

街歩きはSao Paulo Free Walking Tourなどの各ツアーに参加するのがおすすめ。Freeと言ってもチップ制で、支払う金額はツアーの最後に自分で決めるというもの。相場はおよそ25~30レアル(日本円でおよそ600~800円)で、みっちり3時間、様々な分野に精通したベテランのガイドについて街を歩き、歴史や文化や政治などをその人の見地から学べるから、着いた初日に参加するとその後の観光に奥行きが出て面白い。

交通機関

サオパウロの中心部は地下鉄の移動が便利。一度の乗車につき4.30レアル(110円)で、改札口を出なければ乗り換えてどこへでも行くことができる。チケットは青い窓口で現金購入しよう。夜遅くの移動ならUberも安くて便利だ。世界共通のアプリをそのまま使うことができる。Itauのマークが目印のレンタサイクルも可能だが、交通量が多く自転車専用道路もあまり整備されていないので慣れていない限りはその他の交通手段を利用するのが無難だろう。

見どころ

Avenida Paulista

街の中心を走るパウリスタ通り(Avenida Paulista)は商業も文化も集まるサオパウロの中心となる通り。サオパウロで生まれ育った人のことをパウリスタと呼び、各種デモや祭りなどパウリスタたちが集うのがこの通りだ。通りが建設された当初、建物のオーナーは地下に文化センターを作ることが義務付けられたため、現在もサオパウロには市や企業が無料で提供する文化センターが数多く残る。パウリスタ通りには写真展が評判のInstitute Moreira SallesSesc Avenida Paulistaのほか、絵画を中心とした植民地時代の歴史資料や様々な特別展が見られるInstitute Itaú Culturalに、日本の美術や工芸を展示するJapan Houseなど、おもしろい文化センターが集まっているほか、MASPとして親しまれている建物も印象的なMuseu de Arte de São Paulo※火曜は無料だが午後には行列になる)や、その向かいに大きく広がる原生林の公園Torianon-Tenente Siqueira Camposなど、時間をかけて周りたい場所が目白押しだ。パウリスタ通りは日曜に車両通行止めとなり、音楽や屋台、フリーマーケットで賑わうので、週末をサオパウロで過ごすなら是非足を運んでみよう。

パウリスタ通りと交差するアウグスタ通り(Rua Augusta)はナイトライフで知られ、様々な人種の集まる場所。アングロな雰囲気が自慢の通りは音楽や芸術の発信地でもある。バーやクラブなど、街で飲みに出かけるならここを訪れてみるのもおもしろい。

歩行者天国でスラックラインやエアリアルシルク。

旧市街

イギリスから資材を運んで19世紀に建てられたLuz駅は移民もコーヒー豆も行き交ったサオパウロへの玄関口。旧市街はこの駅の南に広がる。パリのオペラ座を模して建てられた立派な市立劇場(heatro Municipal)や、屋上からの展望が人気の美しいマンションEdifício Martinelli、屋上に400種類以上の植物を所有するEdificio MatarazzoやOscar Niemyerがデザインした巨大なビルEdificio Copanなど、どれも無料で見学ができる観光スポットが集まる。コーヒー産業に沸いたサオパウロは19世紀の終わりからこれらの豪華な建造物が乱立していったが、建物の多くはLuz駅同様資材をわざわざヨーロッパから調達したので、どれも完成まで長い時間を要した。巨大な教会Cathedral da Séなどは完成まで50年以上かかっている。完成しない限りは各所から資金調達ができるので、こういうものの事情はもちろん一様でないけれど。このほか教会ならMosteiro de São Bentoも人気だ。煌びやかな高層建築の中にぽつりと建つPatio do Colegioは16世紀にイエズス会の宣教師たちが渡来し現在のサオパウロが建てられた場所。慎ましい建物(復元されたもの)は巨大な都市に成り代わる以前のサオパウロを想像させるもの。

 

Luz駅の北側に建つ美しい美術館Pinacotecaは19世紀のブラジル美術から国内外の現代アートまでを集めた空間ごと味わいたい美術館。毎週土曜は無料になるが、逆に平日は人も少ないのでお勧め。同じ敷地内の公園にも彫刻をはじめとした芸術品が展示され、のんびり散歩が楽しめる。

 

果物の試食で知られる中央マーケット(Mercado Municipal )も旧市街の中にある。試食と負けず有名なのがこれでもかと言うほどMortadella(コショウやスパイスを練り込んだハム)を重ねたボリューム満点のサンドウィッチ。マーケットにちなんでMercadãoと呼ばれるこのサンドウィッチは具の少なさにクレームをつけた客を黙らせるためにある店が出したもので、これがウケてマーケットの名物となったそう。

マーケット名物「メルカダオ」

Vila Madalena/Pinheiros

アート溢れるVila Madalena(ビラ・マダレナ)と、隣接するPinheiro(ピネイロ)はサオパウロの中でも散歩が特に楽しいエリア。Vila Madalenaという名前の由来はサオパウロがまだ田舎だったころこの地域を所有していた地主の3人娘。開発のためサオパウロ市に土地を譲る条件として、地主が土地を3つに分割しそれぞれに娘たちの名を付けたのだそう。この地域の文化的基盤が形成されたのは軍事政権がブラジルを支配した1960年代のこと。若者の結束を恐れた政府が学生寮を廃止し、追い出された学生たちが安い住まいを求めて集まったのがVila Madalenaだった。学生の街となったVila Madalenaや隣接するPinheiroには安いカフェやバー、本屋などが増え、自由を求める芸術家や学者を引き込んで、軍事政権の目論見とは逆に新しい民主主義運動の基地として花開いたのだ。魅力ある地区として徐々に土地の価値は上がり今では富裕な地区となったが、盛んなストリートアートや点在するたくさんの古書店など、現在も文化的な雰囲気が漂う居心地のいい地域。このエリアの観光を楽しむのなら、メインとなるBeco do BatmanBeco do AprendizEscadaria do Patapioを目的地に据えてぶらぶらと散策してみよう。有名なアーティストの作品も含めストリートアートは静かな通りにも点在している。ちなみになぜサオパウロでバットマンなのか。1980年代この辺りに出没したステンシルによるバットマンの絵。のちに判明した「アーティスト」の正体は貧困の深刻な地域の学生グループで、犯罪の絶えない自分たちの故郷をゴッサムシティになぞらえてバットマンをトレードマークとしたのだそう。彼らの正体が知られる以前から人々が「バットマン通り」と呼び始めおかげでこの地域は注目を集め徐々にアーティストたちが集まるようになった。現在では一大観光スポットとなっており、世界中から人が集まる。

ペレとバットマン。#LuisBueno

週末は混雑するのでストリートアート鑑賞なら平日が断然おすすめだが、静かな路地にあるBeco do Aprendizは週末の昼間に訪れるのが無難。週末なら土曜日を選んで歴史ある蚤の市Feria Benedito Calixtoものぞいてみよう。

同じエリアにある美術館でおすすめなのが大竹富江美術館(Institute Tomie Otake)。豪華な特別展で有名だが、平時も当人の作品が見られる。

夕方には夕焼け鑑賞スポットとして評判のPraçde Por do Solで、パウリスタたちとサオパウロの夕焼けに身を委ねるのもまたいいだろう。

Parque Ibirapuera

1954年にサオパウロの400周年を記念して建てられたこの公園は美術館が点在し日にかかわらず人で賑わうサオパウロでとても愛される場所。晴れた日にゆっくり時間をとって訪れたい。公園内にはサオパウロ現代アート美術館(Museu de Arte Moderna de São Paulo)やアフリカ系ブラジル人の足跡を辿るアフロブラジル博物館(Museu Afro Brasil)をはじめ、1日では周り切れない見ごたえある施設が点在している。アフロブラジル博物館や公園内のコンサートホール(Auditório Iberapuera- Oscar Niemeyer)など公園内の多くの建物は世界に知られるブラジルの建築家Oscar Niemeyerがデザインしたもので、建築好きにとっては楽しみも一層深い。公園と橋で結ばれたコンテンポラリーアート美術館(Museu de Arte Contemporânea)も所蔵する美術品が多く特別展もおもしろいのでおすすめ。屋上が展望スポットとして開放されており、夜景を楽しめるレストランもある。

歴史的資料から絵画まで見ごたえたっぷりのアフロブラジル博物館

Liberdade

サオパウロは日本の国外で世界最大の日系コミュニティを持つことでも知られる。19世紀後半からコーヒー産業の中心地として急速に潤ったサオパウロへはアジアやヨーロッパからたくさんの移民が流入した。1888年にブラジルでもようやく奴隷制度が廃止された背景には、産業革命以降労働力を人から機械へ移そうとしたイギリスの目論見と、奴隷よりもさらに安価な労働力としてコーヒー産業やサトウキビ産業に移民が押し寄せたという事情があった。日本人労働者の多くが集まったLiberdade(リベルダーデ)は現在日本街として観光名所のひとつとなっている。週末には屋台も出てとても賑わうエリアだ。日本とも違うサオパウロの日本街を是非訪れてみよう。

信号が鳥居だったりする

Liberdadeの南側にはギャラリーや映画館、図書館などの複合施設サオパウロ文化センター(Centro Cultural São Paulo)がある。緑が多く開放感のある場所で、コーヒー休憩が気持ちいい。

 

 

コブラのふるさと

ストリートアートもタグも盛んなブラジル。中でも有名なストリートアーティストがコブラ(Kobra)で、彼は世界中の街角に作品を残している。知名度の高い人気のアーティストなだけに、最近の作品はミュラルと呼ばれる大きなキャンバス(壁)一面に描かれたものがほとんどで、ブラジルの都市を歩けば様々な人物を鮮やかに描いた彼の特徴的な作品に多数遭遇する。有名になる以前のコブラによる作品が見られるサオパウロの通りは、彼のファンにとってはちょっと特別な体験だろう。もちろんほかにも素晴らしいアーティストが多数おり、気に入った作品と同じアーティストによるものに別な都市で思いがけず出会ったりするのが嬉しい。最近ではアーティストのサインとともにインスタグラムのアカウントが書かれているものも多いから、好きなアーティストをフォローすることもできる。

Oscar Niemeyerを描いたコブラの作品はJapan Houseの真後ろ。
有名になる以前のコブラによる作品も点在する。

地図

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