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旅の手帳

Travel note 

バルパライソの丘を行くーValparaiso⛱

2019年5月

サンティアゴから北へおよそ2時間、一部が世界遺産にも指定されているバルパライソ(Valparaiso)は40以上のCerro(丘のこと)から成るユニークな街。一時はこの地域最大の港町として栄え、ヨーロッパからの移民が押し寄せた主要な町だったことから様々な歴史の舞台になってきた。丘に映えるカラフルな家々は貧しい労働者たちがアイディアから。丘から丘へ歩き回れば、トタンやベニヤ、すごいものは段ボールで補強された家々が並んでいるのに気づく。港から拾ってきた廃材やペンキを金持ちの住みたがらない不便な丘の上に運んでは、彼らは粗末な家を建て現在の風景を作り上げたわけ。

ほかの街と同様、街歩きのツアーに参加して歴史背景や政治のことを聞きながら歩くのがおすすめ。ストリートアートが有名なバルパライソには国内外から有名なアーティストたちがやって来る。言うまでもなくこの国の政治的背景を知るほどに面白い。

 

見どころ

メインの観光スポットになっている丘Carro ConcepcionCerro Alegreへは街の中心にある広場Plaza Sotomayorから出発。便利なことにメインの丘へはエレベーター(Ascensores )が走っているが、乗り場がわかりにくいので、観光案内所などで地図をもらってから行くといい。ふたつの丘は世界遺産指定区域なので、ポストカードに見るバルパライソの景色を楽しめる。メッセージ性の高いストリートアートを鑑賞しながら迷路のような路地を歩くのが面白い。ノーベル文学賞受賞者で軍国主義と戦った詩人パブロ・ネルーダ(Pablo Neruda)がかつて暮らした家La Sebastianaは静かな丘Cerro Bellavistaに建つ。かつて裕福な商人の邸宅だったPalacio Baburizzは、現在彼の集めた美術作品のほかに特別展も開かれる美術館になっている。

原住民マプチェの暮らしを描いたミュラル。

世界遺産の丘を一歩出れば今も貧しいバルパライソ。丘を渡り歩けばリアルな地元の生活を垣間見ることができる。地域によっては治安がいいとは言えないので、静かなエリアは昼間のうちに。宿泊施設やツアーガイドに確認するといい。歩き疲れたら丘の上に建つバーで景色を楽しみながら一休み。日暮れごろ海岸沿いに戻れば格別の夕焼けが拝める。

船の甲板を再利用して建てた教会が見える。

バルパライソに来たら魚を食えという謳い文句があるが、この辺りの海岸一帯は軍事政権時代に売り払われてしまい現在は漁業も大規模化してしまったので、地元のレストランも漁師から直接新鮮な魚を買うということもままならなくなっている。そんなわけで道を歩けばうまい魚に当たるというわけじゃない。昼時になれば賑わう大衆食堂は手ごろな値段でエンパニャーダからデザートまで続くガッツリの定食が食べられるのでおすすめ。食前酒として出されるレモンの効いたピスコサワーは高いカクテルバーよりも素朴でおいしい!オフィスから近いPlaza Sotomayorno周辺に結集している。さらに安くておいしいのがLe Patóの具沢山なエンパニャーダ。中身も毎日変わるので何度でも通いたくなる。マーケットを見ようというのならMercado el Cardonal。2階はフードコートになっており、魚介類も提供している。2010年に起きた大地震でダメージを受け、再開が約束されたまま今もなお閉鎖されたままの(!)Mercade Puertoは現在建物の外で青空マーケットとして開催中。

 

オリーブとトマトとアーティチョークのエンパニャーダ!

 

ビニャデルマール(Viña del Mar)

バルパライソに隣接する町ビニャデルマールへは電車かバスで20分。バルパライソよりも静かな海岸沿いのこの町には夏休みになれば都会からどっと人が押し寄せる。夏に訪れるならピスコサワーのほかにもご当地のメロンをくりぬいて砂糖と白ワインを混ぜたMelón con Vinoをご賞味あれ。ビーチリゾートとして知られるビニャデルマールだけど、歴史も深い。丘の上には大統領の避暑地とになっているCerro Castilloや建材の石をすべてフランスから取り寄せたという宮殿Castillo Brunet(通常は外観の見学のみ)が建つ。実はこの町にはかの有名なモヤイ像がいる。広くイースター島として知られているラパニュイ(Rapa Nui)からここへ運ばれてきた。モヤイ像は見てみたいが旅費も高いラパニュイを訪れるほどの興味はないという私のような旅行者にはぴったりの寄り道スポット。

 

モヤイよ、何を見つめる。

ちなみにバス乗車時には必ず乗車券を発券してもらうべき。これはツアーガイドが教えてくれたことで、バルパライソではバスの乗車券は生命保険そのものなのだ!事故に遇った際、この乗車券がないとバス会社からの補償が下りない。乗ってみればわかるがバルパライソのバスはジェットコースターも顔負けの迫力。そう思えばとても安い生命保険だ。

 

 

おまけ

Cerro Cárcelの公園に建つカルチャーセンター(Parque Cultural de Valparaiso)はCárcelという言葉の示すとおりかつて監獄だった場所。軍事政権時代たくさんの政治犯がここに送り込まれ悲惨な運命を遂げた。サンティアゴに近い主要な街だったこともあり、重要な歴史の舞台になってきたバルパライソ。冷戦の巻き沿えになったラテンアメリカの国々の中で初めて民主主義的に選ばれた社会派の大統領サルバドール・アジェンデ(Salvador Allende)も、米国の支援のもとクーデターを起こしその後1990年までの17年間、軍事独裁政権で人々を苦しめチリの社会に現在も続く痛手を残したアウグスト・ピノチェ(August Pinochet)もこの街に生まれた。暗い歴史を背負ったこの場所は現在憩いの場として多くの市民が集う場所。監獄だった建物は展示と慰霊の目的で当時の外観を残したまま改装され(政治犯としてここへ送られ生き残った人々の写真も展示されている。)、現在は共同農園や多様なワークショップが行われ、また芸術家やミュージシャンたちのスタジオとして常に賑わう。子供時代を軍事政権下で過ごした一般市民は外で自由に遊ぶことがなかなかできなかった。ツアーガイドが説明してくれた。バルパライソの人々にとって長く待ちわびた民主主義の象徴的な場所。訪れる価値満載の休憩スポットだ。

スペイン植民地時代い武器庫として使われた建物も。

後ろに建つのがかつて刑務所だったカルチャーセンター。

地図

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