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モンテビデオをとことん歩く。ーMontevideo

モンテビデオーMontevideo

展望台に上がると、思いがけず大きいモンテビデオ。人口も少なくゆったりと広がるウルグアイの首都は、派手じゃないが味のある、じっくりゆったり旅したい、そんな街だ。ランブラという名で親しまれる海岸沿いの遊歩道La Ramblaは東から西へ22km延び、晴れの日はマテを飲む人々で賑わう憩いの場所。本を読んだり絵を描いたり、思い思いに過ごせるこの長い遊歩道はモンテビデオののどかさを演出している。

街歩きのツアーはチップで支払うCurioso Free Tourがおすすめ。観光名所や歴史的スポットを巡りウルグアイの歴史や政治の話をたっぷりと聞ける。(スペイン語または英語)

見どころ

旧市街(Ciudad Vieja) 

旧市街は独立広場(Plaza Independencia)から西へ広がる。広場の中心に建つ銅像はウルグアイ独立運動の立役者ホセ・アルティガス(José Artigas)。イギリス軍の侵略を抑えかつスペイン政府やブラジル政府への反骨を貫いたウルグアイ独立の父アルティガスは、国民的英雄としてウルグアイの様々な場所でその銅像や肖像画が見かけられる。銅像横の階段を下りれば地下の豪華な霊廟に続く。広場の周りには大統領の事務所歴代大統領博物館が並ぶが、一番目を引くのがひと際美しいPalacio Salvo。ブエノスアイレスにあるPalacio Baroloと同じ建築家によるもので、ダンテの神曲からアイディアを得た見た目もユニークな建物だ。Palacio Baroloと同じチケットで建物内の見学ができ、なんとAir bnbで宿泊も可能。一階のタンゴ博物館(Museo del Tango)はかつて人気のカフェがあった場所。誰もが聞き覚えのあるタンゴの名曲“La Cumparsita”の原曲が生まれた場所だ。歴史ある劇場Teatre Solisは大統領事務所のすぐ隣。近くにはトレスガルシア美術館(Museo Torres García)やフィガリ美術館(Museo Figari)、グルビッチ美術館(Museo Gurvich)など、小さいが見応えのある美術館が集まる。 木々に囲まれた旧市街の中心、憲法広場(Plaza Constitución)の西に位置するPlaza Zabalaは一見何ということもない広場だが、よく見ると囲いの柵が男性器の形になっている。支払いに不服だった建築家が嫌がらせにしたもので(笑!!)あまりに溶け込んでいるので地元でも最近まであまり知られていなかったのだそう。旧市街の端まで歩けばかつての市場Mercado de Puertoに行き当たる。現在は名物アサドのレストランが集まる観光スポットで、そのため少し割高だが少量から立ち食いができるお店もいくつかある。晴れた日に立ち寄りたいのが、独立広場から東へ歩いて15分ほどのところに建つ市役所Intendencia de Montevideoの展望台。入場料無料で22階の屋上から360度街の景色が見渡せる。屋上には喫茶スペースも。同じ施設内にある芸術の歴史博物館(Museo de Historia del Arte)はヨーロッパ占領時代以前の芸術作品が多く揃う時間があれば立ち寄りたい場所。

パルケ・ロド(Parque Rodo)

Parque Jose Enrique Rodóの公園を中心に広がる文化的な地区がパルケ・ロド。感じの良いカフェやバーが集まるエリアだ。公園が富裕層のものだった19世紀初頭、誰でもアクセスできるようにと作られたこの公園は早い時期から社会福祉国家としての基盤を確立したこの国を象徴するような場所。そんなわけで公園の南端には、2000年以上前に教育の平等化を唱えた孔子の像が。週末には蚤の市やオーガニックマーケットが開かれ、公園の向かいにはトレス・ガルシアなど国内の有名な美術作品を集めた国立視覚芸術美術館(Museo Nacional de Artes Visuales)がある。何でも揃うと有名なトリスタン・ナルバハのマーケット(Feria de Tristán Narvaja)は公園から北へ徒歩15分ほど。近くにはかつての監獄をそのまま活かした現代アートスペース(Espacio de Arte Contemporáneo)があり、こちらもユニークでおすすめの場所だ。

Parque Jose Enrique Rodóから南へ15分ほど行ったところにある巨大なショッピングセンターPunta Carretas Shoppingはかつてウルグアイ一堅い警備を誇る監獄だった場所。1971年、力を増す軍部に抗う政治犯としてここに収容されていたゲリラ集団トュパマロス(Tupamaros)のメンバー111人がトンネルを掘って脱獄した映画みたいな話の舞台になった場所だ。日本でも人気のウルグアイ前大統領ペペ・ムヒカも大脱走を果たした1人で彼はそのほんの1か月後に捕らえられた。残りの110人もその1年以内に尽く捕らえられていった背景には、アメリカ合衆国から支援を受けていた南米各国の軍事政権が連携して動いていたという事実がある。社会主義者およびそうと疑われた人々が多く捕らえられた。この大脱獄に使われたトンネルはすっかり塞がれてしまったわけだが、これに似た脱獄用のトンネルをショッピングセンターすぐ裏手のレストランEl Berrenで見物できる。この脱獄は粘土質の硬い土に当たったため途中で断念されたものだが、完成間近のまま保存された地下トンネルはなかなかの迫力。

小さいながらもひと際目を引くお城Castillo PittamiglioはHumberto Pittamiglioという風変わりな建築家が自宅として建てたもので、彼の遺言によりカルチャーセンターとして公開されている。人の一生を表現したというこの城は、開けたら行き止まりのドアや極端に狭い廊下など内観も風変わりでおもしろい。見学の後は一階のティールームでお茶もできる。

 プラド公園(Parque del Prado

モンテビデオ北部のリッチな住宅街にあるプラド公園。近くにはウルグアイの有名な画家ブラネスやフィガリの作品がいくらか展示された美術館(Museo Blanes)があり、こちらもおすすめだ。この美術館の目玉がブラネスの”El juramento de los Treinta y Tres”で、33人の勇んだ男たちが描かれた巨大な絵画。ブラネスは歴史資料から想像した情景を写実的に描いたことで知られた画家だが、ブラジル軍から国を取り戻すべく東からやって来た男たちが33人だったというウルグアイでの伝説は実はこの絵がもとになった架空の数字。これを象徴すべく独立広場に植えられた33本のヤシの木も、ブラネスの絵画に基づいていることを知らないウルグアイ人も多い。特別展もおもしろいこの美術館は一押し。美術鑑賞の後は広々としたプラド公園で一休み。

 ウルグアイグルメ

ウルグアイとアルゼンチンは文化も食べ物もよく似ている。アサドにピザ、マテもアルゼンチンのそれより葉が細かいが同じお茶で、数少ないユニークな名物としてウルグアイ人がごり押しするのがチビト(Chivito)と呼ばれるステーキサンドウィッチ。主役がステーキなだけにあまりケチると味気ない。どうせ食べるなら少し奮発しても絶妙な厚さと焼き加減のテンダロインにかぶりつきたい。

コーヒーが衝撃的に高いウルグアイだが、マテ茶は安くて緑茶好きな人の口に合う。回し飲みが楽しいマテの文化に触れると地元の人とも仲良くなれるから、この機会にカフェイン源をマテに切り替えるのも手だ。それでもやっぱりカフェの時間が欠かせないという人は、せっかくならモンテビデオにたくさんあるブックカフェに行ってみよう。旧市街の古い建物内にある趣たっぷりの本屋さんLibrería Más Puro Versoは2階の喫茶スペースが旧市街観光の休憩にぴったり。パルケ・ロドの住宅街に建つEscaramuza Librosは食べ物も飲み物もおいしくて客の絶えない人気のブックカフェだ。暖かい日はテラス席も気持ちがいい。ランブラ沿いのYenny & The Gold of the Rhineもその立地から長く人気のお店。このほかにも街を歩けば本とコーヒーのお店にぶつかるから、自分の気に入りを見つけるのも楽しい。

カンドンベ/モンテビデオカーニバル

1842年に奴隷制が廃止されるまで、この国にもたくさんの人々がアフリカの国々から奴隷として連行された。アフリカ大陸から運ばれてきたカンドンベは太鼓と踊りからなるパフォーマンスで、現在ウルグアイのアイデンティティとも言えるほどこの国で愛されている。モンテビデオには地域ごとにカンドンベのグループが存在し、老若男女国籍も問わず集まる有志が太鼓を打ち鳴らしながら夜の道を練り歩く。モンテビデオやコロニアを訪れた際には、夜空にこだまする迫力のカンドンベを是非見に行きたいもの。 世界一長い期間を誇ると言われるモンテビデオを中心とした夏のカーニバル。目玉のひとつがこのカンドンベで、毎年1月のパフォーマンスは盛大なもの。そのほかウルグアイの多様な文化や祭りがごったになったこのカーニバルはこの時期訪れるなら必見だ。

 

「絶対食え」と言われるチビト。

El Bellenの床下はトンネル!
左はブラネスの一作。

何でも揃うトリスタンナラバハのマーケット。

 

地図

おすすめのお店や一押し観光スポットなど。地図をクリックすれば全画面表示に。 スマートフォンで使用の場合:グーグルマップのアプリを取得→下の地図をダブルクリック→この地域を指定してオフラインマップをインストール→オフラインでも便利な地図を持って街歩きを楽しもう♪

 

大麻はいかが?

ウルグアイは近現代の政府では数少ない大麻を合法化した国としても知られている。ただこれは大麻の使用を促そうというものではなく、その流通を制限しようというもの。法律によって大麻の使用を正式に認めることで、麻薬組織を社会から切り離し、麻薬の流通問題を解決しようという政策だ。ウルグアイ国民は郵便局で登録すると健康を損なわない量として毎月決められた量を薬局から購入、または自分で栽培することができる。日本の社会では医療用でさえなかなか受け入れられない大麻だが、その有効利用は世界中で議論されており、ウルグアイに続いてカナダも、2018年に大麻の一般利用を合法化した。人のうちに行くと必ず違うルールがあるもので、そんなことを知るのも旅の醍醐味だったりする。ちなみにモンテビデオには大麻博物館(Museo del Cannibis)なんてものまであり、大麻のことを改めて知ってみるには絶好の場所と言えるだろう。

郵便局の入り口には「大麻登録」の案内が。