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旅の手帳

Travel note 

離れられないリオデジャネイローRio de Janeiro-

2019年9月

海と山に挟まれその地形に沿って広がるリオデジャネイロの街はとてもユニークで調和的。市街地でさえ色とりどりの花々が咲き乱れ緑が壁をつたう。

原住民はTupi族。1502年にポルトガル船が来航し、その支配がはじまった。リオを大きな街にしたのはこの近くMinas Geraisに起こったゴールドラッシュ。1808年にはナポレオン軍を恐れたポルトガル王がリオに逃れ、ポルトガル政府をここへ移す。1821年に国王は息子ドン・ペドロを残しポルトガルへ戻るが、これがきっかけに独立の機運は高まり、1822年ドン・ペドロを皇帝に擁立してブラジルはポルトガルからの独立を果たした。リオは独立国家としての首都となり、1960年にこれがBrazíliaへ移された後もその存在感を失っていない。

市街の観光は街歩きのツアーに参加するのもいい。多くはチップ制で、支払う金額はツアーの最後に自分で決める。相場はおよそ25~30レアル(日本円でおよそ600~800円)で、みっちり3時間、様々な分野に精通したベテランのガイドについて街を歩き、歴史や文化や政治などをその人の見地から学べるから、着いた初日に参加するとその後の観光に奥行きが出て面白い。

 

交通手段

リオの街は地下鉄もバスも便利。どちらもその都度チケットまたは乗車カードを購入する。そのほかブラジルはUberがとても安い。昼間なら相乗りもすぐに見つかるので更に安く乗ることができる。ほかの大きな都市同様、夜間は公共交通機関の利用に注意しよう。

 

治安事情

治安が懸念されることが多いリオだが、一般の旅行者が特別危険に感じる場面は筆者の知る限り特にない。スリや盗難は多くひったくりもあるので、リオでは高価なアクセサリーは身に着けるのを控えカメラや携帯電話などもきちんとしまうことを心がけようかばんは常に離さず、人込みではリュックを前掛けにもったりと少しの注意でトラブルは防げる。写真を撮っていたらそのまま携帯電話を持っていかれたという悲しいケースはリオのみならず大きな街ではよくあること。これも他と同様に、暗く静かな通りは避け夜間は特に注意することを頭に入れてリオ観光を目いっぱい楽しもう。

 

見どころ

Centro

市街中心部の楽しみは豊富な美術館やカルチャーセンター。絢爛豪華なシアターTheatro Municipalは20レアル(日本円でおよそ500円)で館内の見学ツアーに参加できる。(火曜ー金曜:12:00, 14:30, 16:00/土曜:11:00, 12:00, 13:00, 16:00)隣接するのは絵画作品が豊富なMuseu Nacional de Belas Artes(日曜無料)や図書館好きなら覗いてみたいFundação Biblioteca Nacional。周辺には歴史博物館Museu Histórico Nacional(日曜無料)やモダンアート美術館Museu de Arte Moderna(水曜無料)、建物の印象が強烈な教会Catedral Metropolitana de São Sebastião do Rio de Janeiroなど観るものが尽きない。豪華な特別展が無料で観られるCentro Cultural Banco do Brasilは訪れること必須。

こちらもカルチャーセンターになっているPaço Imperialは1808年にナポレオンの侵攻を恐れポルトガルから丸ごと逃げてきたポルトガルの王家が住まいとした建物。彼らの暮らしやリオの歴史を知ることができる。特別展も◎。近くには彼らのために建てられた立派な教会も残っている。同じ市街中心部にある高級ホテルのようなConfeitaria Colomboは100年以上の歴史を持つ人気の老舗カフェ。平日の昼間なら混雑なく席につける。

ちなみにこの付近ではないがMuseu Nacional(国立博物館)は2018年の火災で収蔵品2千万点のほとんどを失い閉館した。

 

Santa Teresa/Lapa

街の中心からほど近い丘の上の街Santa Teresaはアーティストの集まる文化的なエリア。

カフェやレストランが軒を連ねる道沿いは緑も多く散歩が楽しい。Cariocaの駅から路面電車に乗れば、水道橋の上を通って丘の上に着く。

街と丘とをつなぐ路面電車。

ストリートアートと緑あふれる景色を楽しみながらゆっくりと坂を散策しよう。有名なタイル張りの階段Escadaria Selarónも頂上から楽しめる。リオに恋したチリのアーティスト、セラロンによる愛情あふれる渾身の作品だ。階段は昼夜観光客の絶えない場所。街頭にきらめくタイルも素敵だが、頂上までじっくりと楽しみたいなら治安上昼間の明るい時間がおすすめ。階段を下り大通りへ出れば飲み屋街で知られるLapa。日が暮れると水道橋下の広場にはたくさんの屋台が出、地元民や観光客で賑わう。スリや盗難には注意。Lapaの飲み屋街を地元のガイドと周るツアーも人気だ。

日暮れ後の階段もまた雰囲気がある。

 

 

港からSanto Cristo

Museu do AmanhãMuseu de Arte do Rio(ともに火曜無料)の建つPraça MauáBoulevard Olímpicoとして知られるAve. Rodrigues Alves を西へ行けばブラジルが誇るアーティストEduardo Kobraの巨大なストリートアートが壁一面に広がる。かつてリオの貿易港として物流の拠点となったSanto Cristo地区はその南側。かつてはここが海岸線だった。20世紀はじめにすっかり埋め立てられたSanto Cristoの港へは物とともにアフリカ大陸からたくさんの人々が奴隷として運ばれてきた。音楽や踊り、食べ物など現在のブラジル文化を形成する様々なものが彼らによって運ばれ育った場所だ。2011年、再開発によりかつての港が掘り起こされその跡地からは過酷な長旅で命を落とした奴隷の遺骨や遺品が数多く発見された。現在ではCais do Valongaとして世界遺産に登録されその遺跡が保存されている。

たくさんの遺骨や所持品が発掘されたCais do Valonga

中央の広場に立つのはサンバの神Mercedes Baptistaの銅像。アフリカ系ブラジル人として初めて市立劇場の舞台に立ち、人種問題と闘った人物だ。

Mercedes Baptistaの銅像が建つ広場。

サンバ発祥の地と言われるPedra do Salは広場からすぐ。毎週月曜夜にはRoda de Sambaが開かれ、週のはじめとは思えないほど遅くまで踊り狂う人々で賑わう。周りには屋台も出、観光客も多く集まるイベントだ。人込みなので持ち物に注意しよう。Pedra do Salの壁にはMercedes Baptista同様、人種問題や性差別、貧困問題の解決に取り組んだ複数の著名人が描かれている。中でもMarielle Francoはブラジル社会の中で女性や貧困層の権利向上を目指し闘ったリオデジャネイロの市議会議員で2018年に暗殺された。彼女の顔を見るのはリオの街角だけじゃない。ブラジルを旅していると彼女とその死がブラジルの社会をどれほど揺るがせたかが感じられる。

 

ビーチ

街の沿って伸びるリオデジャネイロのビーチ。有名なPraia de Copacabana(コパカバナビーチ)をはじめ隣接した夕日の美しいIpanemaにあるPraia do Leme。Ipanemaの東端に位置する小さな岩山Pedra do Arpoadorは日暮れに近づくと夕焼けを楽しむたくさんの人々で賑わう。もう少し静かなビーチならPraia Vermelhaもおすすめだ。そのほかボートの浮かぶ景色が自慢のBotafogoはカフェやバーが集まり地元でも人気のエリア。ある程度人の集まるビーチはおよそ20レアル(日本円でおよそ500円)でパラソルと椅子が借りられ屋台も出る。コパカバナビーチは夜も人気。海岸沿いをぶらぶらと歩きながら安くておいしいブラジルの定番カクテル、カイピリーニャを飲むのが楽しい。

Pedra do Arpoadorは人気の夕焼けスポット。

 

 

ハイキング

街のど真ん中に山のそびえるリオデジャネイロ。日帰りで楽しめるハイキングコースがとても豊富。楽しみやすいのは一般にPão de Açúcarで知られるMorro do UrcaMorro dois Irmãos。Pão de Açúcarの頂上へはPraia VermelhaからケーブルカーでMorro do Urcaを経由して行く人がほとんどだが、静かで歩きやすいMorro do Urcaを通り過ぎるのは少々もったいない。頂上からの景色はPão de Açúcarに引けを取らないもので、ケーブルカー代を節約したいならMorro do Urcaのハイキングだけでも十分に楽しめる。ちなみにPão de Açúcarを夕焼け目的で行くのなら、帰りのハイキングは諦めてケーブルカーで下まで降りてくるのが無難。

 

リオでは外来種の小さな猿Marmoset

かわいいさに負けてえさを与えないように。

Morro dois Irmãosへの道は少し刺激的。まずはIpanemaビーチからほど近いVidigalという地区へ。ここは貧困層が暮らすファベラのひとつとして知られているが、穏やかな下町で治安もいい。ここでモーターバイクタクシーをひろい、Vidigalの景色を楽しみながら登山口まで連れていってもらうという仕組み。タクシー乗り場はPonto de Moto Taxi e Kombi VDG(地図を参照。)片道5レアル(日本円で約130円)で、帰りは登山口でココナッツでも飲みながら待っていればドライバーが定期的に現れる。登山道は行き交う人々によって自然に作られたような個所も多いので少し滑りやすい。雨上がりは避けて晴れた日にハイキングシューズを履いて行こう。頂上からの眺めは抜群で興奮するが、柵などもちろんないので少し慎重に。どちらのハイキングも所要時間は片道1時間程度。

モータータクシーはここから。

そのほかにもリオデジャネイロは街から歩けるハイキングコースがとても豊富。かの有名なCristo Redentorへも歩いて登ることができる。Cristo Redentorへのハイキングは慣れていない限り2人以上で行くのが無難だ。

ハイキングではないがピクニックとして人気なのがJardim Botânico。無料でもう少し鬱蒼とした緑を求めるなら同じ通り沿いのParque Lage。Cristo Redentorへのハイキングはここがスタート地点となる。

少し高めだがParque Lagoのカフェはおすすめ。

 

 

ファベラーFavelaー

リオの街に700以上存在するファベラ地区。奴隷制から解放されたアフリカ系の人々が、住む場所を求めて山の上に定住しだしたのがそもそもの始まり。現在でもそのほとんどが不法居住区として扱われ水道などの公共サービスもまともに通っていないので、必然的に貧困層が多く住む。一重にファベラと言っても、街に近いRocinhaVidigalなど比較的公共サービスが通って経済が成り立っている地域もある。狭く急な路地には山からの湧水が流れていたり、リオならではの景色が興味深い。ファベラを訪れるならこの地域の暮らしや歴史をよく知るガイドと歩くのがベスト。ツアーは多数あるが、おすすめはFavela Walking Tourなどファベラで生まれ育った人が案内してくれるもの。個人で訪れる場合にもRocinhaやVidigalが無難。路地は人通りも少なく迷いやすいので避けたほうがよい。

もちろん貧困やそこから派生する麻薬問題や人権問題などファベラに住む人々のお置かれた状況は深刻なもの。ブラジル社会の別な顔を知るきっかけになる。

山からの湧水も直接注ぐRocinhaの町。

 

 

サッカー

リオでのサッカー観戦はMaracanãスタジアムで。地元チームが競うゲームならチケットも格安でなので、サッカーファンでなくともチャンスがあれば観に行きたいもの。チケットは第1ゲートの窓口で直接購入するか、またはFutebolCardのウェブサイトで予約できる。ウェブサイトは全国版なので購入時にはスタジアムをよく確認しよう。


マーケット

毎週日曜に開かれるFeira Livre da Glóriaはリオっ子たちが生鮮食料品を求めて集まる大きなマーケット。野菜やフルーツも安く新鮮で、フルーツの試食がこれでもかと差し出される。屋台もたくさん出るので朝食や昼食にぴったりの場所だ。

新鮮な魚も並ぶFeira Livre da Glória


こちらも日曜開催のFeira Hippie de Ipanemaは日用品から土産物まで何でも揃うマーケット。マーケットの開かれるIpanemaビーチは夕日も評判のビーチだ。そのほか土産探しにぴったりなのは毎月第1土曜に開かれるアンティークマーケットFeira Rio Antigo。骨董品はもちろん、手作りの雑貨や服も並ぶ。もちろん屋台や音楽もあり覗くだけでもおもしろい。

アートも美しいFeira Rio Antigo


もう少しユニークな体験ならFeira de São Cristóvão。ここはアフリカ系文化の強い北部から仕事を求めてリオへ移住した労働者の多く住む地域で、おいしいBahia地方の料理や文化が楽しめる。土産物屋も並び、ハンモックなどの雑貨も安く購入できる。火曜から木曜にも開かれるが、雰囲気を楽しむなら週末がおすすめ。金曜の昼間から日曜の夜まで音楽や屋台で賑わう。入場料はひとり4レアル(日本円でおよそ100円)。

 

食べもの

タピオカ

この地域を訪れたなら一度は食べたいのがブラジルのタピオカ。タピオカと言っても飲み物ではなく、タピオカの粉をフライパンで薄く焼き好みの具材を包んだもので、もともとはアフリカ文化の影響を強く受けたBahia地方の料理だ。タピオカは熱を加えると粘りが出るので、クレープのように焼かれたタピオカはもちもちとしてとてもおいしい。おすすめはココナッツとチーズの組み合わせ。7レアルほどでお腹が膨れるのも嬉しい。

Feira Livre da Glóriaで人気のタピオカ屋さん。

 

大衆食堂

食べ放題も人気だけど、それよりも無駄なくたっぷりのランチが楽しめる大衆食堂。昼時に町を歩けば、ショーケースに食べ物が並ぶ大衆食堂はどこも地元の人で賑わう。メインひとつと、新鮮なサラダやごはんをを含むおかずをお皿いっぱいに持ってくれる。ビジネス街でおよそ20レアル(日本円で約500円)、観光地やビジネス街でなければその半額で食べられるところも多くある。

お腹いっぱいで動けない。

 


マテ

この地域のマテは南のそれとはだいぶ異なる。一般に冷やして飲むお茶で、それ自体はウーロン茶に似た味。個人的には氷をたくさん入れて(そのままだとかなり濃いので。)それだけで飲むのが好きだが、地元ではこれをレモネードで割る飲み方が人気のよう。どちらにしても熱い地域の理にかなった飲み物でビーチで飲むのもおいしい。

 

おまけ

リオデジャネイロの石畳

リオの街並みに趣を添える石畳の道。この石のほとんどはその昔ポルトガルから運ばれたもの。ポルトガル占領時代、リオデジャネイロの近くMinas Geraisの鉱山からはたくさんの金やダイヤモンド採掘されポルトガルへ運ばれた。船を安定させる重しとして使われた大量の石がリオの港で金や砂糖と交換され置き去りにされたのだ。

 

地図

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